Googleで検索しようとアプリを立ち上げたときに、「あなたにおすすめ」記事が表示されますよね?
するとSPXLを購入します。的な、ブログ記事が載っていました。
読み込んでみるとSPXLを、どうやらこの方は買うようです。
しかも長期間のバイ&ホールドをするそうです。
注意喚起:SPXLはやめておきましょう
はっきり言ってこのようなレバレッジを掛ける投資商品と言うのは長期間ホールドするようなものではありません。長期間ホールドすれば儲かるかと言ったら、それは疑問で?
というか、はっきり言わせていただきますが、S&P500と比べてもそれ程差があるとは思いません。
更に言わせて頂くならば、儲かる確率は少ないでしょう。
理由は単純です。
極端な話で菅すが、リーマンショックのようなリセッションが来た場合S&P 500ですら30%の下落をするわけですから、3倍レバレッジの場合はその3掛けの90%の下落をすることになります。
という事は?、そのときに資産が10分の1になることを意味します。
ブログ記事で見かけた、この方は30年間の長期間ホールドするそうです。
景気循環が10年に1度と言われている中、その方の場合はリセッションが3回訪れると予想することができます。
30年間保有している期間を考えると3回もの大幅下落が来た場合、満足な利益が出るわけがありません。
最初にブログでSPXLを勧めているブロガーさんがいる訳ですが。。
私は、この様な方を見かけると、この絶好調な10年間の相場にしか目の向いていない残念な。
ハッキリ言わせて頂くと金融リテラシーの脆弱な残念な人にしか思えません。
特に投資初心者の方は、そういった方のブログなどは見る価値すらないと考えた方が賢明です。
チャートで確認します
10年チャート
TECLがピンク(セクター違いのレバレッジもの)SPXLが青
SPY(S&P500)が水色
確かにこれを見ると魅力的に映るかもしれません。
しかし、この期間はリセッションは発生していません。
直近のコロナウィルスでの急落を反映したチャート

今後、リセッションを迎えるか分かりませんが。
リセッションの初動で、既にこの著しい急落。。
リセッションが無いので急落局面を反映してみたチャート
赤丸がコロナウィル青丸がブラッククリスマス
このいずれもがリセッションでは有りません。
つまり、本格的なリセッション時にはこれ以上の下げ幅になります。
リセッション時にはSPXLは、S&P500に劣後することは明白です。
SPXLの設定日はいつから?
そしてSPXLとは、設定されてから10年ほどの投資商品です。この10年間の米国市場はリセッションらしいリセッション等ほぼ皆無で、S&P 500も順調に右肩上がりで上昇し続けてきた好景気期間でした。
特にトランプ大統領就任以降の上昇は急ピッチでした。まぁもっともコロナウィルス騒ぎで直近では暴落していますが。。。
実際SPXLに投資されてる方は、直近での資産の目減りに驚いていることと思います。
株価は基本的に減価しやすい側面がある
そしてレバレッジ商品と言うのは例外なく、減価していく仕組みを持っています。正しくは減価しやすいが正しいです。
一切の下落などなく常に毎日株価が上がるのであれば、減価することなく延々と上昇してくるわけですが、株式市場では決してそんな事が有るはずがありませんよね?
好景気により上昇相場の時でさえ、株価と言うのは上下動を繰り返しながら上がっていくものです。
この手のレバレッジ商品と言うのは、下げた時に大きく下がり、上がる時には大きく上がる訳ですが、基本的にS&P500よりも減価していきます。
S&P 500ですら減価する
極端な話をしてしまうと、株価というのは同じパーセンテージの上下動を延々と繰り返した場合。たとえば、それがレバレッジ商品ではなかったとしても資産は減価する構造を持っています。
✔わかりやすく極端な例で説明すると
100ドルの株価が30%下落したとします。すると株価は70ドルになります。
その後、下落時と同じように30%上昇したとします。
すると、その時の株価は91ドルになります。
これは、暗算でもわかることですね!
そして、これがレバレッジ3倍物の場合はレバレッジを利かせている分レンジ幅がより大きくなるので、更にそれ以上の数字が必要だと言うことになります。
このように、株価は一旦下がり始めたら元の位置に戻すためには下げた時よりも、より多くの上昇圧力が必要となると言うことです。
〇〇ショックのようなことが起きた場合、元の株価に回帰するためにはそれ相応の時間が必要になる事は必然です。
つまり数十%もの大きく下げた株価と言うのは、元に戻るには簡単なことではないと言うことです。
米国市場の場合は割と早くに元に戻ることができます。
これは、米国市場は他国と比べ株価上昇しやすい市場構造を兼ね備えているためです。
それでも、相応の期間を要します。
日経平均などを見るとよくわかりますよね、元に戻るまでにかなりの時間を要しました。
レバレッジ商品の場合、この上下動がより大きくなりますから、下げから上がる圧力が通常の株価の上昇圧力上以上のパーセンテージがなければ元の位置には戻りません。
ですからこのようなパターンの場合、レバレッジ商品はレバレッジのかかってい無いものよりも必然的に減価幅が大きくなる宿命になります。
直近のコロナショックでSPXLの実現損益で考えると
コロナショックにより、米国ETFのS&P500も一時30%を超える下落に見舞われました。
直近3,360ドルから2,200ドルへと真っ逆さまに急降下したのです。
そして現在は2,900ドルへと反発しています。
これは、下落から約30%の上昇ですね。
このコロナショックを例に考えてみましょう
30%の暴落>その後30%上昇
これを、仮に直近高値圏で100万円の投資を行ってしまった場合を例えてみましょう。
S&P500は:100万円投資スタート>70万円>91万円
SPXLは:100万円投資スタート>10万円>19万円
つまり
S&P500に投資していた場合は、今現在の手元資金は 91万円
SPXLに投資していた場合は、今現在の手元資金は 19万円
以上の様な結果になります。
その後、更に30%の上昇
S&P500は:91万円>118万円
SPXLは:19万円>36万円
結果
S&P500は、投資元本を回収出来て利益も発生しています。
一方、SPXLは投資元本の半分にも満たないのです。
この様に、投資タイミングが悪いと一発で終わりです。
その間、ボックス相場が続いていた場合は更に酷い結果になります。
SPXL純資産総額
・SPXL 1260億円
・VOO 13.6兆円
・VOO 13.6兆円
※ちなみにVOOの方が設定日短いです。
純資産額を見ても一目瞭然ですが、長期間投資するような投資商品でないことは明白です。そして、純資産額が少ないということは償還リスクも付き纏います。
✔因みに、設定されてから2年程度の国内投信である以下の投信
楽天VTI 800億円(ほぼ全ての米国株式への投資)
slimS&P 500 560億円(米国株式から厳選500銘柄への投資:VOOと同じ)
両銘柄とも、ほぼ同じチャートを描きます。
この両投信の合算金額を下回っている事は何を物語っているか?
お分かりですね。
そして最後に
SPXLも短期でのリバ取りや、少額でヘッジ目的の掛け捨て保険的に使うのであれば有効な取引方法とはなりえますので完全否定する訳では有りません。ただし、長期間ホールドするのはお勧めできません。
しかし、私は一切この様なものへの投資は行いませんし、安易に誰かに勧めるべきモノでは有りません。
リーマンショック後には、この10年間では底値から始まっています。
この直近10年間の絶好調の相場環境というのは稀な出来と言えます。
絶好調だったこの期間のSPXLのチャーだけを見て飛び付くのはハッキリ言って危険です。
今後2020年以降、この様な右肩上がりの状況が続くとはとても思えません。
コロナショックによりFRBはゼロ金利を導入しました。
現在の市況はインフレによりFRBも利上げを早急に行う必要が出てきました。
※その後、コロナショックで米国市場は30%を超える暴落となりました。
SPXLを買えるのは、この様な数十%を超える様な局面だけと言ってよいでしょう。しかし、私は一切この様なものへの投資は行いませんし、安易に誰かに勧めるべきモノでは有りません。
リーマンショック後には、この10年間では底値から始まっています。
この直近10年間の絶好調の相場環境というのは稀な出来と言えます。
絶好調だったこの期間のSPXLのチャーだけを見て飛び付くのはハッキリ言って危険です。
今後2020年以降、この様な右肩上がりの状況が続くとはとても思えません。
コロナショックによりFRBはゼロ金利を導入しました。
現在の市況はインフレによりFRBも利上げを早急に行う必要が出てきました。
高インフレは株式市場には最もネガティブな影響を与え、過去のリセッションでは高インフレから始まった例が散見されます。

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